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中村 秀夫
日本原子力学会誌ATOMO, 61(4), p.270 - 272, 2019/04
日本原子力学会創立60周年に際し、熱流動部会にて熱水力安全評価基盤技術高度化戦略マップ(熱水力ロードマップ)の策定に2007年当初より携わった経験等を基にした展望が述べられる。特に、同ロードマップ2017年最新版では、軽水炉の熱流動技術の全体を内外の情報を基に技術マップで俯瞰し、継続的に安全性を改善・発展させる道筋がバックキャスティング的に検討されたこと。そして、今後の課題として、「国産安全評価解析コードの開発」、「検証用実規模データの整備とスケーリング分析」、「3次元二相流動の現実的な解析」、「シビアアクシデント(SA)時の現象評価、実機計装」、「ATFなど新しいチャレンジへの対応」、「炉物理と熱流動とのカップリング」など、安全評価等に用いる精度良い数値解析技術の開発と妥当性確認に必要な試験とその技術について、関係者間の議論に基づいた6つの課題が示されている。福島第一原子力発電所の事故により、我が国の原子力は岐路にあるが、同ロードマップの改定にあたり多数の関係者間に真の双方向コミュニケーションが実現して、次代への道筋が示されるとき、我が国の原子力に真の希望を見出せるのではないか、との期待が述べられる。
中村 秀夫
no journal, ,
日本原子力学会熱流動部会の熱水力安全評価基盤技術高度化検討ワーキンググループが実施する改訂版熱水力ロードマップの作成に関して、「安全評価」及び「基盤技術」の2つのサブワーキンググループでの検討により、安全性を向上させた軽水炉に必要とされる熱水力分野での技術課題をとりまとめ、平成26年度に完成させる計画で取り組んでいる。日本原子力学会2014年秋の大会での熱流動部会企画セッションで、その様な熱水力ロードマップの策定・改訂の全体像について、これまでの経緯ならびに2つのSWGによるロードマップの改訂内容を具体例に基づいて紹介すると共に、総合討論にて今後の熱水力分野での研究開発の展望について議論する。
中村 秀夫
no journal, ,
2007年に日本原子力学会によって開始され2009年に策定された軽水炉の安全向上と開発に係る熱水ロードマップは、2011年の福島第一原子力発電所事故の教訓を考慮して、平成26年度中の完了を目指して改訂途上にある。これまでにシビアアクシデントの技術マップを改訂し、さらに基盤技術、安全評価技術の仕上げにさしかかっている。今回は、この様な改訂の現状、特に、これまでの経緯と到達点の概要、シビアアクシデント対応機器や安全解析コードの開発などロードマップに掲載される主な課題、個別課題の技術等の到達点と重要度ランキングの方法、自然現象など外的事象の扱い方、今後の策定見通しなど主要な諸点について、中間報告を行う。